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採用と企業理念

 ノーベル経済学者マイケル・スペンスの「シグナリングの理論」に従えば、顧客が情報処理技術者を評価するとき、個々人の実力を正確に把握することは難しい。そのため、自分がどれだけ優秀であるかを、わかりやすい指標で顧客に伝える必要がある。その目的の為に最も効果的なのが「情報処理国家資格」である。なぜなら、能力が高い人間は、比較的容易に情報処理資格を取得することができるからである。従って、情報処理国家資格を保有していることは、その人が有能である「シグナル」になる。

当社の採用においても、高等学校や大学での教育内容が全て直接に企業の仕事に役立つと考えているわけではない。無論、基礎学力を学校教育で習得することは重視するが、高等学校や大学による人材のスクリーニング機能を信頼しているということである。従って重要なのは高等学校と大学の入学試験である。この方が採用する側はシグナルとして読みやすい。専門学校においては入学試験の目的が多少は違うかも知れないが、確かに求職者が各種資格を取得しているという事はシグナルになる。

ただ、これだけでは当社の新卒採用に際して求職者に失礼でもあるので、きちんと入社試験を実施している。入社試験問題は年々高度になってきているが、決して難しくはしていない。「高度」とは、社員となって当社事業を遂行する際に基本的に備えていて欲しい能力を的確に判別するという意味の磨きをかけている。高々90分程度の入社試験であるが、毎年、工夫を凝らしているわけである。今年も新卒者の採用準備にとりかかる季節になった。また、社員諸氏のご協力を頂くことになるであろう。

一方、誠に残念なことではあるが、日本においては理念や使命を掲げて、その通りの教育を行う学校は極めて少数である。そして学校を出た人々を受け入れる企業にとっても、理想と使命を掲げるだけでなく、それを実践していると言い切れる企業もまた少ない。当社の理想と使命は、言葉を変えれば「明るい未来を信じる」だから、「有用なものを社会に提供する」その結果、「仕事を通じて幸福になる」という、善き原因と結果の連鎖を探求し、実践しているのである。心して臨みたい。

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